意外と知られていない地獄の種類とは?一番有名な八熱地獄を解説

意外と知られていない地獄の種類

意外と知られていない地獄の種類とは?一番有名な八熱地獄を解説

京都で開催された「聖地をたずねて」の第2章では、地獄のすがたを可視化した作品を展示されていました。実は、地獄は1つではなく、様々な種類があることをご存知でしょうか?本記事では、その中で一番有名な八熱地獄について簡単に解説していきたいと思います。

そもそも地獄とは?

地獄の種類・そもそも地獄とは?

そもそも地獄とは「輪廻転生の六道の1つ」となります。
仏教には輪廻転生という考えがあり、死んだ後には別の生を受けて様々な世界を生き続けると言われています。そのような考えのことを「六道輪廻」と呼び、名前の通り6つの道を回り続けているとされています。
六道は以下の6つとなります。

1.地獄道
2.餓鬼道
3.畜生道
4.修羅道
5.人道
6.天道

ちなみに、現在私たちだ暮らしている世界は「人道」となり、死後はほぼ確実に地獄道に転生します。

地獄の中で有名なのは「八熱地獄」と「八寒地獄」

記事の冒頭で述べた通り、地獄には様々な種類が存在します。全ての種類を合計すると、なんと135の地獄があると言われています。数多くある地獄の中で有名となっているのが「八熱地獄」と「八寒地獄」です。どちらかの名前を聞いたことがあるという人も意外と多いのではないでしょうか?特に八熱地獄は、漫画などに登場することも多いメジャーな地獄となっています。

八熱地獄について

今回は、最も有名な地獄「八熱地獄」について解説していきます。
八熱地獄は、8層に分けられていて、生前に犯した罪によって落とされる地獄が変わってきます。
仏教で守らなければいけない以下の五戒が主な罪状となります。
・不殺生戒(ふせっしょうかい):生き物を殺さない
・不偸盗戒(ふちゅうとうかい):盗みをしない
・不邪淫戒(ふじゃいんかい):性愛をしない
・不妄語戒(ふもうごかい):嘘をつかない
・不飲酒戒(ふいんしゅかい):酒を飲まない

八熱地獄の8つの階層と罪状

等活地獄:殺生
黒縄地獄:殺生+窃盗
衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親または聖者を殺害

各階層にはさらに16個に分けられた小地獄がある

地獄は8階層になっており、さらに各階層ではメインの地獄を中心に16個に分けられた小地獄があります。それぞれの小地獄で行われている内容も異なります。

八熱地獄の刑期の最短は「1兆6千億年」

八熱地獄に落ちた際に最も刑期が軽いと言われているのが「等活地獄」です。
ですが、最も刑期が軽い等活地獄でも「1兆6千億年」という長過ぎる時間を過ごさなければいけません。ちなみに等活地獄の1つ下にある黒縄地獄になると、刑期は「13兆年」といっきに跳ね上がります。

まとめ

今回は、135種類ある地獄の中で最も有名な八熱地獄についてザックリと解説しました。
最も軽い等活地獄でも1兆6千億年というまさに地獄のような刑期を受けなければいけません。
昔から地獄が恐れられている理由がわかるような気がしますよね。

聖地をたずねて-西国三十三所の信仰と至宝-