観音様が複数いるってホント?観音様の種類を簡単に解説!

観音様の種類を簡単に解説!

観音様が複数いるってホント?観音様の種類を簡単に解説!

京都国立博物館で行われた特別展「聖地をたずねて-西国三十三所の信仰と至宝-」では、観音様も見どころの1つとして人気を集めています。知らない人も多いと言われていますが、実は観音様には複数の種類がいるって知っていました?本記事では、観音様の種類について簡単に解説していきます。

観音様(観音菩薩)とは?

観音様の種類を簡単に解説!観音様とは?

観音様・観音菩薩の名前を聞いた時にどんな姿をイメージしますか?
映画や漫画といったフィクション作品に登場することの多い、複数の手がある「千手観音」を想像したという人が多いのではないでしょうか?もしくは、観音様について少し調べたことがあるという人は、白い衣装の「白衣観音」を想像したという人もいますよね。
実は、観音様は「変化をする菩薩」だったりします。要するに、観音様・観音菩薩といっても姿が1つではないということです。「○○観音」という名前の仏様は全て観音様が変化した姿となります。変化する前の姿を「聖観音」と呼びます。

観音様の持ち物は?

数多くの姿に変化する観音様ですが、色々な物を持っている姿の仏像や絵画が残されています。
代表的な物でいえば、「蓮華・水瓶・宝珠」が挙げられます。また、容姿としては髪を高く結っている姿を見かけることも珍しくありません。
観音様が何を持っているのか、どんな髪型をしているのかといった点に注目してみてください。

観音様の種類とは?

様々な姿に変化する観音様・観音菩薩ですが、どれぐらいの種類があると思いますか?
10~20ぐらい?いいえ、観音様は実は「33種類」の姿に変化することができる仏様なんですよ。
観音様の33種類は以下となります。
楊柳観音(ようりゅうかんのん):右手に柳の木の枝を持つ
竜頭観音(りゅうずかんのん):伝説の生き物である龍の頭に乗っている
持経観音(じきょうかんのん):右手に経典の巻物を持つ
円光観音(えんこうかんのん):頭の後ろに丸く光が輝く
遊戯観音(ゆげかんのん):自由自在に雲の上に座る
白衣観音(びゃくえかんのん):白い衣を身にまとう
蓮臥観音(れんがかんのん):清らかな蓮の上に座る
滝見観音(たきみかんのん):険しい崖に座り滝を見ている
施薬観音(せやくかんのん):静かに座り滝を見て、薬のように苦を救う
魚籃観音(ぎょらんかんのん):大きな魚の上に乗っている
徳王観音(とくおうかんのん):静かに岩に座り、右手に柳枝を持つ
水月観音(すいげつかんのん):水の上に立ち月を見ている
一葉観音(いちようかんのん):水面に船のように浮く蓮の葉に座る
青頸観音(しょうきょうかんのん):青い顔のシヴァ神が原型といわれている
威徳観音(いどくかんのん):威厳と徳により衆生を仏教の教えへ導いてくれる
延命観音(えんめいかんのん):呪詛や毒薬から人々の命を救い伸ばしてくれる
衆宝観音(しゅほうかんのん):1人の祈りが大勢を救うと説いている
岩戸観音(いわとかんのん):毒蛇が住むという岩窟の中で座る
能静観音(のうじょうかんのん):海を前に岩にもたれて座る
阿耨観音(あのくかんのん):岩に座り海を見ています。海難を救ってくれる
阿麽提観音(あまだいかんのん):語源不明ですが音写だと考えられている
葉衣観音(ようえかんのん):蓮華座に膝を立てて座る
瑠璃観音(るりかんのん):蓮の上へ香炉を持ち立つ
多羅尊観音(たらそんかんのん):雲の上へ立ち人々を救済している
蛤蜊観音(こうりかんのん):大漁を祈願する漁夫に信仰されている
六時観音(ろくじかんのん):1日中、衆生を見て守護している
普悲観音(ふひかんのん):皆へ平等に大きな慈悲を与えてる
馬郎婦観音(めろうふかんのん):女性の姿で仏教の教えを説いている
合掌観音(がっしょうかんのん):合掌して最高の境地に至っている。
一如観音(いちにょかんのん):雲の上で雷をしずめ衆生を災害から救っている
不二観音(ふにかんのん):慈悲の表情をしていますが仁王様にも変身する
持蓮観音(じれんかんのん):容姿が美しく、両手で蓮の花を持つ
灑水観音(しゃすいかんのん)水にお香を入れた香水で清めている

まとめ

以上が観音様の33種類の簡単な解説となります。
特別展示などで観音様を見る機会があれば、自分がどの種類の観音様を見ているのか知ることも楽しさの1つです。興味を持ったという人は、観音様の種類を覚えてみてはいかがでしょうか?

聖地をたずねて-西国三十三所の信仰と至宝-