表紙(左から):国宝「粉河寺縁起絵巻」(部分)和歌山・粉河寺/「不空羂索観音坐像」京都国立博物館/「千手観音立像」和歌山・粉河寺/重要文化財「菩薩半跏像」奈良・岡寺(龍蓋寺)/秘仏「如意輪観音坐像」京都・頂法寺(六角堂)/「聖観音菩薩立像」滋賀・宝厳寺/「如意輪観音坐像」兵庫・圓教寺/「十一面観音立像」京都・醍醐寺/「馬頭観音坐像」京都・松尾寺/※会期中、一部の作品は展示替えを行います

音声ガイド

(左から)いとうせいこうさん、みうらじゅんさん

(左から)いとうせいこうさん、みうらじゅんさん

音声ガイドナビゲーターは、
みうらじゅんさん、いとうせいこうさん!

独特の切り口で仏像を紹介した共著『見仏記』などで、新たな仏像の魅力を発信している、みうらじゅんさんといとうせいこうさんがナビゲーターに登場!公私ともに親しい2人が、西国三十三所の魅力や展覧会の見所を分かりやすく解説します。

当日貸出価格

600円(税込)

みうらじゅん(イラストレーター)

1958年京都市出身。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。イラストレーター、作家、ミュージシャンなどとして幅広い分野で活動。1997年「マイブーム」で新語・流行語大賞受賞。2005年日本映画批評家大賞功労賞受賞。2018年仏教伝道文化賞沼田奨励賞受賞。興福寺「阿修羅ファン倶楽部」の会長。『アイデン&ティティ』『マイ仏教』『「ない仕事」の作り方』『ひみつのダイアリー』など著書多数。

いとうせいこう(作家)

1961年生まれ、東京都出身。1988年に小説「ノーライフ・キング」でデビュー。1999年、「ボタニカル・ライフ」で第15回講談社エッセイ賞受賞、「想像ラジオ」で第35回野間文芸新人賞受賞。執筆活動を続ける一方で、宮沢章夫、竹中直人、シティボーイズらと数多くの舞台をこなす。音楽活動においては日本にヒップホップカルチャーを広く知らしめ、日本語ラップの先駆者の一人である。現在は、ロロロ(クチロロ)、いとうせいこう is the poetで活動。

みうらじゅん×いとうせいこう スペシャル対談

今回の展示物の中で、気になっている仏像・宝物は何ですか?

- みうらじゅん

いやー、たくさんありましたね!

いとうせいこう -

たくさんありました。僕たちは普段、やっぱり「お像」が好きで注目しちゃうんですが、今回は珍しく、《参詣曼荼羅図》をはじめ、絵巻や仏画など、「絵画」の作品に対して、「やっぱり面白いなぁ」と改めて感じましたね。

- みうらじゅん

タイトルにも「聖地を訪ねて、三十三所」とありますしね。聖地の様子がわかる「絵画」、非常に魅力的!

重文「長命寺参詣曼荼羅図(長命寺文書のうち)」

重文「長命寺参詣曼荼羅図(長命寺文書のうち)」
桃山時代(16~17世紀) 滋賀・長命寺 [通期展示]

いとうせいこう -

バラバラの絵ではなく、《参詣曼荼羅図》ひとつとっても、それぞれいろんなお寺を描いたものがありますから。見比べられるというのが面白いですね。

- みうらじゅん

それぞれ、「うちのお寺は極楽に近いですよ!」っていうアピールがこもっているのが伝わってきますよね。これ、今でいう「観光マップ」の感覚も、やっぱりあったんじゃないかな。

いとうせいこう -

ああ! 確かにね、信仰的な意味と、当時の感覚での観光的なものが同居しているよね。

- みうらじゅん

《参詣曼荼羅図》で言うと、当時の参拝客の姿とか、ちょっと世俗っぽい要素も描かれているから、よけいに見ていて面白いんだと思いますね。

いとうせいこう -

仏像だと、京都の頂法寺六角堂の如意輪観音様、気になりますねー、今まで見たことないお方というのもあるけれど。

秘仏「如意輪観音坐像」

秘仏「如意輪観音坐像」 京都・頂法寺(六角堂) [通期展示]

- みうらじゅん

あと、奈良の南法華寺(壷阪寺)の観音菩薩様もね。飛鳥時代の仏ですからね。非常にいいお顔で、癒されます。ガイドで取り上げているお像や宝物以外でも、まさしく「秘!」って感じのものが盛りだくさんで、大変豪華な展覧会だなと思いますね。

「観音菩薩立像」

「観音菩薩立像」 飛鳥時代後期(7世紀) 奈良・南法華寺(壺阪寺) [通期展示]

「西国三十三所」の魅力はどんなところにあると思われますか?

いとうせいこう -

やはり「巡礼路」ですから、「巡る」というアイデアがね。

- みうらじゅん

つまり「観光」の感覚ですね。

いとうせいこう -

そう、全てのお寺を巡ってご利益をいただく、要は巡礼路をサーキットしようというアイデアが、やっぱり魅力的ですよね。現代でもスタンプラリーとか、似た催しはあちこちで行われているし、その辺の楽しさというか、そうしたイベントに誘われる文化というのは、今も昔も変わらないなって思いますね。だから「三十三所巡礼」って昔の古い催しではなくて、今の時代にも残り続けている、って感じがします。

「西国巡礼独案内図」

「西国巡礼独案内図」 江戸時代 文化元年(1804)
和歌山・金剛宝寺護国院(紀三井寺) [通期展示]

- みうらじゅん

さっき「観光」って今っぽい言葉で表現しちゃったけど、「観光」って、つまりは「光を観る」。そもそも、ありがたい光を観に行くことだからね。

いとうせいこう -

そう、信仰に関わっていますよね。

- みうらじゅん

お正月に日の出を見に行くような、聖なるものに会いに行くことだよね。 そういう

意味で、「観光」のはしりが、西国三十三所巡礼にあったんじゃないかね。

いとうせいこう -

なるほどね! 観音菩薩の「三十三変化」というのが教典にもともとあったわけだけど、それを実際の土地の、「場所」にあてはめたのも、すごいよね。まさに開発者!って感じがする。

「西国巡礼独案内図」

「西国三十三所観音集会図」 江戸時代(18世紀) 兵庫・中山寺 [通期展示]

- みうらじゅん

そうだね、西国三十三所の他にもいろいろ、一定の数の聖地を巡る道が今もあるけど、やっぱりその巡ってる間のワクワク感って、普遍的なんだよね。そういうところが感じられるのが、西国三十三所の魅力だと思います。

最後に、この展覧会に来られる人に一言、メッセージをお願いいたします。

いとうせいこう -

仏像、宝物ひとつとっても非常に貴重なのに、それがこれほどの規模で集まる機会は、そうそうないですよ! しかも、巡礼路のすぐ近くの京都で見られるというのが、また良い!

- みうらじゅん

そうだね、会場が京都だから、この展覧会を見てから、あとで実際のお寺に行くっていうのも、その気になればできそうだしね。

いとうせいこう -

そう、それが最高に面白い企画だから、ぜひ多くの方に見に来てほしいですね。僕らも是非、見に行きたい!

- みうらじゅん

本当にね! またとない展覧会です、みなさん是非、見に来てください!